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【レビュー】『ドラクエ ユアストーリー』を絶賛している私が、あえて映画のダメなところを挙げてみる

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2019.8.17投稿

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先日、『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』の泣きそうになったシーンについて語りました。

www.asa-mushi.net

 

Twitterでは批判的な意見の多いこの映画ですが、私個人的にはかなり面白かったし、『ドラクエ ユアストーリー』を楽しめたことを嬉しく思っています。

『ドラクエⅤ』を未プレイだとダイジェストが多すぎて、なんだかよく分からない映画なのでしょうし、既プレイでも一握りの人にしか刺さらない映画だったのでしょうね。

 

しかしまぁなんというか、しっかりと感想をまとめている人の中で、過激に叩いている人は殆どいない気がします。

多くの人は雰囲気で批判して炎上させてる部分もあるのかも。

 

そんな『ドラクエ ユアストーリー』ですが、今回はこの映画を楽しめた私が、あえてイマイチだった点を挙げてみようと思います。

個人的に楽しめた映画ではありましたが、一本の作品として見ると粗が多いのも分かるのです。

 

原作未プレイだとつまらない映画

そもそもこの映画を楽しむ前提として、ドラクエⅤを未プレイだと何がなんだか分からないまま映画が終わってしまいます。

子供時代カットの件や、結婚イベントの描写があっても、ドラクエⅤを遊んだことがないとイマイチよく分からないし、感慨にふけることは不可能です。

 

「ドラクエⅤは未プレイだけど最高に楽しめた!」という人は皆無ではないでしょうか?

 

全体的にダイジェスト感が強い

たった1時間半ちょっとの上映時間で、1人の人生を描かなければならないため、全体的にダイジェスト感が強いままラストまで進みます。

ムダなシーンはあまり無かったと思います(しいて言えばギャグが余計だった)し、テンポ良く進んでこれだったので、しょうがない感じではあるんですけどね。

 

ただ、序盤のダイジェスト部分に伏線を仕込んだり、本当に展開がめまぐるしいので、やはり原作未プレイだとよく分からないでしょうし、既プレイの私ですら「結婚相手を選ぶ葛藤」などは薄く感じてしまいました。

まぁでも、プロポーズのシーンが良かったのでトントンかな?

 

ピクサー映画の偽物感がある

モンスターのグラフィックは素晴らしかったです。

が、キャラクターのCGはちょっとキツく感じることもありました。

 

ディズニーなどの映画と違って、『ドラクエ ユアストーリー』はリアルとデフォルメのギリギリ気持ち悪いところを攻めてしまった感じで、カットによっては「不気味の谷」のように思うことも。

パパスが死ぬシーンのリュカの顔も、なんかちょっとニガテです。

 

ただし、こちらもバトルシーンのリュカ(特にラストバトル)の表情などはスゴくカッコ良かったですし、一概に悪い部分でなかったかなと。

鳥山絵風じゃないことを批判する声もありますが、確実にエセドラゴンボールみたいになっていたでしょうし、私は今作のCGはこれで良かったと思います。

 

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佐藤健の声も迫力があって良かった

BGMに闇鍋感があって気になってしまう

個人的に一番モヤっとしたのがBGM関連です。

モチーフとなったドラクエⅤのBGMだけでなく、様々なナンバリングタイトルのドラクエからBGMを取って付けていたために、映画を見ているのに他のドラクエの映像が浮かんだりしました。

なんかこう、BGMの闇鍋感が凄かったです。

他のドラクエ未プレイだとどう思うんでしょうね?

 

まぁでも、エンディングでⅢの「そして伝説へ」が流れたときは感動してしまったんですけどね。

ドラクエ11もBGMの使いまわしがあるみたいだし、最近のドラクエはそういうもんなのかな。

 

ドラクエⅤを再現できてるとは言い難い

そもそも1時間半ちょっとでドラクエⅤのストーリーをなぞる方がムリなのですが、それを勘案してもドラクエⅤの魅力を再現できてるとは言い難いです。

 

私が特に残念だったのは、幼少期のレヌール城を全カットしたことと、結婚イベントの葛藤が薄かったこと。

結婚イベントに関しては、ゲームと違って「主人公=自分」ではないので、しょうがないですけどね。

自分で結婚相手を選べないのに、ゲームと同じ臨場感を求める方が無茶ですね。

 

ストーリーも展開が変わっているところは散見されましたけど、(パパスが天空の剣を見つけていない。グランバニアも天空城も出てこない等。)なんとか映画に落とし込むために無駄のないシナリオに変更できていたように思います。

それでも、やはりキラーパンサーとの再会がアッサリだったり、天空の剣の在りかやプサンとの出会いが都合良すぎたり、これはドラクエⅤなのか?と聞かれれば100%「否」と答えます。

 

まとめ:炎上の意味が分からない

あえてダメな点を挙げていこうと思ったんですけど、やはり良い点もいっぱいある映画だったので、なかなか難しかったです。

私には『ドラクエ ユアストーリー』がしっかり刺さってしまったんだろうなぁ。

 

確かに、ドラクエの映画を見に行ったのに、多くの人にとってあのラストシーンは求めていないものだったのかもしれません。

ただ、かつてドラクエⅤをプレイした人であれば、ラストでのリュカの言葉の意味も分かるでしょうし、人生を語ることに於いてドラクエⅤはそれだけ説得力のあるソフトです。

ゲームを初めてプレイして、パパスの死に困惑し、ビアンカとフローラのどちらと結婚するか悩み、幼い頃の自分との会話、生きていた頃のパパスに会えた時の切なさを知っている人にとっては、あの映画でのラストシーンは決して茶番ではないハズです。

 

映画を見てガッカリした人は、あのラストシーンで「寒い」って思っちゃったんじゃないでしょうか?

「なにゲームに真面目になってるの?」「ついていけないんだけど。」って。

ドラクエⅤの思い出をバカにしてるのはどっちなんでしょう。

 

一番ムカつくのは「ドラクエを壊された!」とかって怒ってる人。

『ドラクエ ユアストーリー』はドラクエⅤじゃないし、なんだったら「ドラクエヒーローズ」とか「ドラクエライバルズ」、「星のドラゴンクエスト」の方がよっぽどドラクエの世界観を壊してます。

ナンバリングタイトルの「ドラクエⅩ」ですら、今やドラクエのような何かになっているのに、ユアストーリーをそこまで叩く意味が分かりません。

 

仮に、映画のクライマックスで魔界の門に天空の剣を投げた後、ミルドラースがポッと出てきて、もう一回ラストバトルしてピンクの第二形態になってそいつも倒して、エンディングでは夫婦でダンスして映画終了。(パパスとマーサの語り付き)

これ、感動出来ます?

全体的に描写も足りてないし、ゲーム通りにしてたらイマイチな印象のまま映画が終わってたと思います。

 

余談:ドラクエⅤを美化しすぎなんだと思う

映画を批判しているツイートの中に、「駄作な映画なんか見ないで、スマホでドラクエⅤをプレイしよう!」なんてものがバズってますが、マジで今からドラクエⅤプレイすれば?と思います。

そんで、「あれ?こんな感じだったっけ?」って思えばいいのです。

 

全体的にレベルを上げて殴ればいいゲームだし、相棒のゲレゲレは終盤火力不足になるし、マジでミルドラースはポッと出のラスボスだし、イブール見て誰だよってなるし、ゲマを倒すのに大して感慨も湧きませんから。(SFC版だとゲマはただのダンジョンのボス)

伝説の「天空の剣」は「ふぶきのつるぎ」によりリストラされます。てか勇者よりゴーレムの方が強いし、ラスボス戦もモンスター同士が殴り合ってるだけで、エンディングもアッサリです。

最大瞬間風速は「レヌール城の冒険」と「パパスの死」と「結婚イベント」だけ。

映画を批判してる人は、ちょっとドラクエⅤを美化しすぎてるんじゃないの?と思います。

 

「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」を批判しているものの正体は「思い出補正」なんじゃないでしょうか。

昔プレイしたドラクエⅤはこんなんじゃなかったという幻想。

 

若しくは『大人になれ』と言われたのがそんなに気に入らなかったのか。

『君を、生きろ』と言われるのがそんなに嫌なのか。

ドラクエⅤだからこそ、説得力を持たせられたキャッチコピーなのに。

 

ドラクエⅤ未プレイで怒ってる人については、ちょっと何言ってるか分かんないです。

単に、「映画はつまらなかった。」でいいじゃん?と思うのですが。

 

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