昨今はうさんくさいモノが増えてきて(るように感じて)、これは宗教チックだな、なんて眉に唾をつけて話を聞くことが多くなりました。
例えば、スーパーの隅なんかにある、普段は何もないスペースでやっている「○○マッサージ器の体験会(無料)」だとか。高齢のお年寄りたちが、まだ家で元気に暮らせている友達同士で予定を合わせて、なんだか小綺麗な若者数人の話を聞きながら機械に座って、お行儀よく話を聞いているのを見かけます。
私が普段お世話になっている80歳の現役農家のおじいちゃんも、膝の痛みがとれず、そういうところに通っているそうです。そして、確かに無料だし、効果はあるように感じるそうです。
「うーん」と思い、なにか買わされたりしないんですか?と聞くと、買わされることはないと。そのマッサージ器の値段は100万円以上するものだけど、本当に欲しいと思った人だけ購入して下さい、我々は決して売りつけるようなことはしません、というようなスタンスでいるそう。
また、応対している小綺麗な若者たちは○○大学の医療系の勉強をしている、というような態度で、お年寄りたちを安心させているようです。「うーん」。
その80歳のおじいちゃんは、私のような若輩者の話が聞ける人なので、「まぁ、半分詐欺だと思った方がいいですよ。」とクギをさしておきました。無料、期間限定、自称医療系学生の安心感のある若いスタッフ、なんて、我々からするとかなり怪しい存在でしかありません。
詐欺だったのかはわかりませんが、市内にあった営業所兼支所のような店は、最近になってもぬけの殻になっていました。100万円以上する機械を買ったお年寄りは、その後サポートを受けられているのでしょうか。知らぬが仏です。
なんか宗教チックだな、と感じることはたくさんあって、こんなのは生活のなかのほんの一部です。ちょっと前に流行った水素水、血液クレンジング、などのガチっぽいものもあれば、身近なところでいうと睡眠の質が向上する高級まくら、とかダイエット食品、化粧品。一つ何万円もする洋服だとかスニーカーだとか。
“効果には個人差があります”なんてものや感性に訴えかけるものは、大抵怪しいにおいが付いてまわってる気がします。乳酸菌なんちゃらかんちゃらも、まぁ好きで飲んだりはするんですが、これも宗教チックだなぁなんて思ったり。
ここまで「宗教」ってレッテルを貼っておいてなんですが、私自身は、もっと現代人は宗教を大事にした方がいいんじゃない?って思っています。宗教、とは言っても、新興宗教のような怪しいモノじゃなく、仏教哲学のような生活の規範となるものを。例えば、おじいちゃんのお葬式で、孫が納骨に参列して、悲しいけど怖いような、「命」、「魂」に直接触れる感覚を得ること、とか。
お金の数、フォロワーの数、売り上げの数、などの俗っぽさを崇めるこの時代には、スピリチュアルなものを軽んじている、“ゆがみ”がある気がします。本当はみんな、お金に飢えてるんじゃなくて、心の豊かさに飢えてるんじゃない?って。
法律に違反してるとか、してないとか、そういう正しさでしか語れなくなったら、AIやBOTとなにも変わらないと思うのです。