「あの頃のRPGを取り戻す」がテーマのRPGである【ロストスフィア】を購入しました。
プレイ状況としては20時間ちょっと遊んで、これからラストダンジョンに乗り込むといったところです。
ウワサによるとエンディングは賛否両論らしいし、これから大絶賛するということはなさそうなので、そろそろ感想をまとめたくなった次第です。
一部ネタバレがありますので、プレイ中の方は注意して下さい。
最初に評価を述べると、私はこのゲームを結構楽しめたんですけど、フルプライスで買ってたら後悔してたかなぁって感じはします。(DLソフトのセールで2,000円くらいで買った)
私は昔ながらのRPGはかなり好きで、本作はそういった人たちをターゲットにしている印象なのですが、本作を遊んでいると舞台設定が煮詰まってないところがちょいちょい見えて、私達のようなゲーム老害からの評価は得られにくいのではないかと感じました。
かといってあまりRPGに触れたことのない方に勧めるにしても、今どきのゲームと比べると絵面が地味なので、Twitterでバズったりとかも難しそうです。
とはいえ先に述べた通り、私はこのゲームはそこそこ楽しめました。
私はこのゲームをゲームレビュー系ユーチューバーの動画を見て知って購入を決めたのですが、そのキッカケはゲーム全体の雰囲気とBGMが好みそうだったからなんですよね。
遊んでみてもやはりロストスフィアのゲームの背景やBGMは私の好みにドンピシャで、ラストまでしっかり雰囲気に浸ることができました。
- BGMと世界の雰囲気が素晴らしい!
- 世界設定、適当なのが気になりすぎる
- 世界に国が二つだけ
- 戦闘バランスは良好
- 仲間キャラについて
- 色々書いたけどラストまで遊んじゃった
- 追記:ロストスフィアの要らなかった設定とか
BGMと世界の雰囲気が素晴らしい!
LOST SPHEAR(ロストスフィア) フィールドBGM「Hope journey」
LOST SPHEAR(ロストスフィア)通常戦闘BGM~勝利後BGM
ほぼ全曲を通して、BGMに関しては手放しで評価できるレベルです。
そしてBGMとロストスフィアの背景や雰囲気が非常にマッチしていて、この二つの要素だけでストーリーや世界設定のガバさも許せちゃうレベルです。(個人の感想)
フィールドと戦闘BGMの他にも町や森など、ほとんどの曲が作業用BGMとして機能するレベルで安心感のあるものになっていて、これだけでこのゲームの没入感を増してくれました。
このゲームをラストまで遊ぼうと思えたのも、BGMとグラフィックの要素が大きいです。
中盤に訪れる湖とか、夜だと星空が湖面に映ってうっとりするレベルでした。
でも絶賛できるのってホントBGMと背景くらいなんですよね…
こっから先はゲーム老害の私が遊んだ辛めの感想になります。
世界設定、適当なのが気になりすぎる
このゲーム、アルティマニアとか設定資料があるのか分からないんですけど、ゲームの雰囲気がいいのに所々設定がガバってるところが気になるんですよね。
一番「は?」ってなったのは、
①この世界に夜がない(唐突な舞台説明)
⇩
②10分くらいで問題を解決し、夜が来るようになる
⇩
③初めての夜に対して世界中の誰も何も言わない
ここだけはマジで擁護のしようがなかったなぁと。
まぁ世界中の人のテキストを用意するのが無理なのは分かるのでアレなんですけど、そもそも夜が来るようにしなきゃいけなかった理由が、「暗闇に乗じて城に潜入したいから」というものなので、別にこの設定自体なくても良かったんですよね。
それ以降「夜」が絡むイベントもありませんし。
この、「夜を失ったキッカケになったもの」と同様のヤバイ施設は世界に8個くらいあるんですけど、その他は問題を解決しても世界の仕組みを変えるようなイベントは特になかったのも疑問点です。
その他にも、ちょこちょこと材料は良いのに活かしきれてないなっていうのをラストまで感じました。
個人的にはメインの要素である「ロスト」や「記憶」や「月の力」、「機装(ロボット)」ですら、前者は設定がフワッとしてたり、後者は世界観に合ってない印象があったんですよね。
私のようなゲーム老害は物語や設定の整合性にうるさいので、この辺りが評価が上がらないポイントなのかなぁと思います。
終盤は小難しいワードでゴリ押して物語を進行してる印象があったのも、ストーリーにのめり込みづらいポイントでした。
まぁ、昔の名作RPGとかでも「”無”の力ってなんなんだ?」とか「なんでラスボスは主人公に事情を話さなかったんだ?」みたいなストーリーや設定がガバいのは結構あるので、そういうのを含めて昔のRPGっぽさはあるんですけどね。(ホントか?)
ただ本作のターゲット層って間違いなく昔のRPGが好きだった大人達だと思うし、そんな大人が遊んでもイマイチカタルシスが得られない作りなのが残念なポイントです。
唯一、うつろいの世界に行くときの演出だけは鳥肌が立ちました。
ああいうのは大好きです。
世界に国が二つだけ
ロストスフィアは昔のRPGらしくワールドマップがあるタイプのRPGなのですが、そこそこ広い世界に帝国がひとつ、王国がひとつあって、あとは村が5コくらいあるような非常にこじんまりとした舞台になっています。
世界をまたにかける物語なのに、実際は帝国内での小競り合いがメインなので、冒険感や世界の壮大さをほとんど感じないんですよね。
これも、「この城(国)はどこのエリアを統治してるんだ?」みたいなのは昔のRPGあるあるではあるんですけどね。
今思ったんですけど、ロストスフィアの世界って”町”が1コくらいしかない気がします。(城下町を除く)
あとは全部村とか集落とか。
お城は荘厳だし飛空艇とかロボットとか出てくるのに、なんかこう文化レベルがチグハグな感じもします。
とはいえ最初に述べた通りこのゲームの背景とか雰囲気はメチャクチャ素晴らしいので、全く別のストーリーでこの世界を冒険してみたかったなぁとは思います。
これは次回作に期待ですね。
設定のガバさがないロストスフィアならフルプライスでも買うと思います。
戦闘バランスは良好
RPGといえば戦闘なわけですが、今作の戦闘システムとかゲームバランスは良好でした。
本作の前身となった「クロノトリガー」、「いけにえと雪のセツナ」のようなATBを更に進化させたシステムで、更に世界中に建立できるアーティファクトや機装(ロボット)の特殊コマンドなどもあって、色んな遊び方ができます。
キャラクターの技のカスタマイズ性も幅広く、例えば全ての技に即死攻撃を付けたり全体回復効果を付けたりもできるし、ボスもなかなか強かったりするので遊びごたえがあります。
しかしボスの状態異常攻撃が強すぎたり、こちらの即死全体攻撃でザコ戦が一瞬で終わったりと、粗が大きいのは賛否両論なところでしょうか。
私はこの歪なゲームバランスが結構好きだったりするんですけどね。
残念な点は、戦闘システムは結構奥深いのにそれを試せる相手がボスしかいないので、例えば大技である”連携”なんかはゲームを通して10回くらいしか使わなかったことが挙げられます。
あとはカウンター法石なんかもザコ戦では発動しない(全体即死で終わる)し、色んな面白そうな要素があるのに噛み合ってない感じも残念です。
しっかり全ての要素を使いこなせるゲームデザインだったなら、バトルも神ゲーレベルで面白かったかもしれません。
ちなみに私は難易度をハードで進めましたが、ボス戦だけは全体攻撃の状態異常やクリティカルを食らったら負けというような運が強いバランスでした。
これは戦闘中にSPを貯めておけば状態異常に掛かりにくかったり、クリティカルを防げるとか、そういう要素もあれば良かった気もしますね。
まぁレベルを上げてHPを増やせば突破できるし、楽しめたからいいんですけどね。
仲間キャラについて
本作の仲間キャラは総勢8名いるのですが、殆どのキャラにあまり親近感が湧きませんでした。
序盤で仲間になるヴァンはその象徴で、見た目はクール系なのに実は熱血漢。だけど皮肉屋みたいなキャラ付けでなんかチグハグです。
最初は不審者としてパーティに同行してて、プレイヤー目線からも不審なヤツなのに、唐突に味方に友情が芽生えて敵にキレる謎なキャラでした。
終盤のサブイベも、「あれ?お前ルミナフラグ立ててなかったっけ...?」みたいな謎な展開にも困惑しました。
それでもそんなキャラが人気No1のようです。ことあるごとに主人公と友情を深めるイベントがあったり、主人公と対比させたりと、制作者からは相棒兼ライバルキャラにしたかったのでしょうが、私目線では浅さを感じました。
その他のキャラも同行の理由はあるにせよ、プレイヤーの知らないところでいつの間にか信頼関係が芽生えていて、なんとなく置いてけぼり感があります。
プロローグで意味深に登場するオバロも、唐突に仲間キャラになってからあまり掘り下げがないままラストまで同行して、冒頭の期待値を上回ってくれませんでした。
終盤で一瞬、「え!?オバロが黒幕なのか」と思うシーンがあったのですが、ホント一瞬だけでガッカリでした。
このゲームの急にキャラ同士の友情が芽生えてる違和感の正体はなんだろう?と考えてみたんですが、思えばキャラ同士で冗談を言い合ったりが少なかった気がします。
みんな真面目。
序盤からいる4人はともかく、後半仲間になるキャラは特にみんなお堅い感じなので、打ち解けあうイベントが無かったのが原因かもしれません。
オバロが実は料理好き!?とか〇〇が可愛いもの好きだった!?みたいな、テンプレですけどサブイベントがあればもう少しキャラの印象も良くなったでしょうね。
色々書いたけどラストまで遊んじゃった
色々辛口で書きましたけど、私はこのゲームが好きか嫌いかで言ったら好きです。
思い出に残るゲームというほどではないにせよ、ギリギリ良作くらいの判定をあげてもいいようなゲームです。
「あの頃のRPG風RPG」ってここ数年でいくつかありましたけど、ロストスフィアはその中でも上位に楽しめた作品でした。
まぁ言ってもまだエンディングは見てないので、それ次第で凡作評価になるかもしれませんけど。
世界設定とかはガバいのはありますけど、それでもラストまで遊べたのはRPGとしてバトルを無意識に楽しんでいた面もあると思います。
基本はオーソドックスなバトルではありますけど、即死攻撃でザコを蹴散らしたり、ボスにクリティカルで一気にダメージを与えたり、地味に爽快感があって楽しいんですよね。
これだけで裏ダンジョン的なものがあったら挑戦したくなりますし。
あとはやはりBGMが良かったのが大きいですね。このおかげで世界設定がガバってても雰囲気に浸れました。
ラストダンジョンにもちょっと顔を出してみましたけど、やはりBGMも背景も素晴らしかったので攻略するのが楽しみです。
ホント、材料が良かっただけに神ゲーになれなかったのが残念なゲームです。
フルプライスだとちょっとあれですけど、セールなら興味がある方は遊んでみる価値はあると思います。
追記:ロストスフィアの要らなかった設定とか
・オバロ関係(機甲人や機装)→設定がメインテーマに殆ど関わらないから要らない
・法石柱→もっとメインストーリーに絡めるかどっちかにしてほしい
とりあえずこの二つはムダにプレイ時間を稼いでる要素なので、もっと別のイベント(逢魔の民やディアントやモンスター関係)を掘り下げれば世界観に浸れたと思う。
そもそも普通にプレイしてたら法石や記憶の結晶とかの設定回りもあんまりピンとこないし。
てか”記憶”って結局なんなんだろう?モノなの?法石と交換してくれるお店の人は何者なの?
機装にならないと連携やその他のコマンドが使えないのも×。
攻略サイト見てるとヴァンとか面白そうな固有スキルを持ってるのに、ボス戦以外で試したりする機会も必要もまずない。
あとこのゲーム、やっぱりロストや月まわりの設定がそもそも腑に落ちなかったです。
黒幕もラスボスの人じゃなくて月が大体悪いと思うんだけど…
なんで月は味方サイドの顔してるんだろう。