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【サバクのネズミ団!改。⑦】極圏のストーリー考察と解説。サバクのネズミ団の世界観、設定など。

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今回はSF素人の私が極圏でのウワサバナシを読み解き、

サバクのネズミ団の世界観を解説していきます。

 

当然ですがクリア後のネタバレ全開ですのでご容赦下さい。

 

 

 

極圏で聞けるウワサバナシと考察

パイプラインの運用マニュアル

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・・・・・・・・・

パイプラインの下に、ボロボロの小屋が佇んでいる。

無口な老人が住んでおり、パイプから漏れる燃料を集めて売って暮らしているようだ。

老人に小銭を投げると、保守マニュアルを読ませてくれた…

 

「…本パイプラインは燃料専用とする。

『駆動体』による物理的被害を防ぐため、パイプラインにH20を流さないこと。

『駆動体』は体内に余裕するH20分子を共振させ、惑星内の水分を探し出し、『触手』を用いて摂取し、体内に貯めていく。

 

※生物の体内に保有するH20に対してもそれは同じである。

キョテンの外で作業する際には、『駆動体』の探知と、『触手』の襲撃を避けるため、決して静止しないこと…」

 

保守マニュアルには手書きのメモが書き込まれている…

 

「この惑星のH20分子のおおよそ99.8パーセントは地下深く、『駆動体』のかたちをとり、この惑星を循環している。

彼らはこの惑星を動き回る海なのだ」

・・・・・・・・・

 

おそらく『触手』とは「サバクのヌシ」のことで、

『駆動体』とはグランドマザーのことなのでしょう。

 

H20分子というのはH2O(水)のことでしょうか?

 

サバクでフネの燃料が尽きるとヌシが現れるのは、

ネズミのH2Oを摂取し貯め込むためなのでしょうね。

 

つまりサバクのネズミ団の惑星の地下深くには

天文学的な量の水=海そのもの=駆動体がいて、

命を海へ還す役割を担っているわけですね。

 

 

極圏にいるチキュージンのハムが言っていた

「おまえらの『グランドマザー』だ…」というのは、

駆動体=母なる海という意味だと思われます。

 

グランドマザーやヌシに対抗できることによって、

ネズミ達に星の循環システムを超える力を与える。

というのがハムの使命だったのでしょう。

 

くじらのうた

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・・・・・・・・・

捕鯨基地の廃墟だ…。かつては賑わっていたのだろう。

取り残されたスナクジラの骨が風に揺れている。

 

スナクジラの骨にワインをお供えしたら、

低く響く歌が地平線の向こうから聞こえてきた。

 

「これは我らの神話。

 

かつての我らは宙の上、塩水に溢れた楽園で緩やかな眠りに揺蕩う。

 

楽園を囲うガラスの向こう、ペチュニアの鉢植えの陰で、我らの崇拝者はオキアミを捧げる。

 

蜜月は果てしなく続き、続き、続き、そして終わる。

 

崇拝者は宙の果てに去り、ペチュニアとその兄弟とともに我らは取り残される。

 

そして楽園の底が抜け、ペチュニアの鉢植えとともに我らは追放される。

 

我らはペチュニアの鉢植えとともに空から落ちる。

 

しかし我らも、そしてペチュニアも、その兄弟たちも生き残る。

 

我らは砂の海で、かつての崇拝者に追われながら。

 

ペチュニアとその兄弟は東の果てで、この星の王に守られながら」

・・・・・・・・・

 

オキアミとは釣りエサのエビ、

ペチュニアはナス科の園芸植物です。

 

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ペチュニアの花

『宙の上、塩水に溢れた楽園』とは地球のことでしょうか?

それとも宇宙基地やコロニーのことかもしれません。

 

崇拝者というのは人類かチキュージンのことでしょうね。

 

我らというのは素直にクジラのことでも良さそうですが、

オキアミのような小さいエサを与えられていたことから

もっと小さな魚や海の生物かもしれません。

 

ただ、『楽園の底が抜け』というのが分からないので、

これが最も考察の難しいウワサバナシな気がします。

 

 

シンプルに考えると、

かつて人は衛星のコロニーで豊かに暮らしていたが、

何かの理由でコロニーを捨てみんな去ってしまった。

 

そしてその後、コロニーに穴が開いてしまい、

海(塩水)の生き物はこの星に落とされたが生き残り、

食料として人に追われることとなった。 

 

ペチュニアや他の植物は黄金郷で緑を広げ、

海の生き物は砂クジラへと進化して人類の食料となった。

 

みたいな感じでしょうか。

 

 

ただし、『この星の王』というのがイマイチ不明です。

黄金郷を守っているのはサバクのヌシであるので、

これを『この星の王』と呼んでいるのかもしれません。

 

海=母と対比させるのであれば、

黄金郷に広がる森が王であるという見方もできます。

 

あと他に黄金郷にいたのは天然ミルクをくれた牛ですので

もしかしたら彼らがこの星の王なのかもしれませんね。

 

石碑にかかれた文章

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・・・・・・・・・

巨人の頭がそのまま寺院となっている。

お酒を供えると、巨人の口がわずかに開いた。

のどが渇いていたのだろうか。

隙間から中に入ってみる。石碑が並んでいる。

 

「先駆者よ、テラに祈りを捧げよ。

 

我らが始祖たる似姿をもつもの、アルバートの児らよ。

巻いた尾をふる忠実なもの、ライカの一族よ。

 

そして。ちいさきものたちよ。

 

いにしえのロケットで旅立ったヒトの先駆者たちよ。

テラに祈りを捧げよ」

・・・・・・・・・

 

テラとはラテン語で地球のことです。

 

アルバートやライカというのは、1950年頃に

実験で宇宙船に乗せられた動物の名前のようです。

 

アルバートはアカゲザル、ライカは犬の名前でした。

 

ちいさきもの、はハエやネズミのことでしょうね。

 

寺院が巨人の頭を模しているのは、

かつての人類の姿を遺すためかもしれません。 

 

 

しかし、人の都合で打ち上げられた動物に対して

「地球に祈れ」というのがよく分からないです。

 

この大昔の宇宙実験で生き残ったネズミ達の子孫が

今作のネズミ達という事なのでしょうか?

 

そもそもこの碑文を書いたのは誰?という疑問も。

『我らが始祖たる似姿を持つもの(サル)』とあるので、

おそらくチキュージンの誰かが書いたのでしょうが。

 

極圏にいたハムが思い付きで書いたポエムかもしれない。

 

酔っぱらった天文学者

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・・・・・・・・・

天文台の中は割れたレンズのカケラが散乱し、荒れ果てていた。

…違う、これはレンズじゃない、割れた酒瓶のかけらだ。

二日酔いにくたびれた顔の天文学者がガラスの海に寝っ転がっていたので、迎え酒をおごった。

 

「月が大きくなってるんだ…。間違いない…。

酔っぱらってんじゃない、絶対にそうだ…。

そもそもこの星に衛生なんてあったか…?

この星の成層圏には人工衛星しかないはずなんだ…。

 

現に、あそこには食料生成プラントが浮いてたはずなんだ…」

・・・・・・・・・

 

あまり本筋とは関係のないウワサバナシですね。

 

今書いてて思ったんですが、

この食料プラントは宇宙に浮いているのではなく

大気圏内の成層圏を飛んでいるんですね。

 

ということは月(と呼ぶもの)もずいぶん近くにあって、

実はかつての食料生成プラントだったものであり、

おそらく今も稼働中なのでしょう。

 

 

成層圏に浮いているということは、いつかは重力で

食料がどっさり落ちてくるのでしょうか。

 

バイバイン*1みたいな不気味さはありますが、

希望があるといえばあるのかもしれませんね。

 

アンテナの起動

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・・・・・・・・・

巨大なアンテナの下にハコがある。

ハコにはコインをいれる縦穴がある。

いくらいれればいいのかわからないけど、

ひとまず一番小さいコインを投げ入れると、

アンテナから電波が発信された。

フネの無線にノイズ混じりの声が響く…

 

「・・・―――・・・

 ・・・―――・・・

 

『タクラマカン交点』ヨリ『ホーム』へ…。

『タクラマカン交点』ヨリ『ホーム』へ…。

 

救援を求ム…。

 

 ・・・―――・・・

 ・・・―――・・・」

・・・・・・・・・

 

交点とは

月や惑星の軌道が黄道を横切る天球上の点。南から北へ横切る点を昇交点,逆の場合を降交点という。この交点は常に一定ではなく,たとえば白道の交点は約 19年で黄道上を逆行1周する。日食・月食は,月が交点の近くにきたときにのみ起る。

https://kotobank.jp/word/交点-62815

ぶっちゃけ赤道と黄道の違いが分からん…

あれ?春夏秋冬ってどういう仕組みなんだっけ…?

 

タクラマカン交点というのが謎のワードです。

タクラマカンといえば砂漠が真っ先に出てきますが、

ということはこれは地球での通信なのでしょうか?

 

天体に自信がある方なら意味が分かるのかな?

 

 

この通信内容の中の・・・―――・・・とは

モールス信号でSOSにあたるそうです。

 

タクラマカン交点、ホーム共にどこか分からず、

誰がどこに向けた救難信号なのかも分かりません。

 

 

ウワサバナシによるとノースポールはアンテナで、

コインを入れると電波を発信する様子。

なぜコインが必要なのか?

 

最後の最後で謎のメッセージになっていて、

真相は分からないままになっています。

 

けど、この雰囲気がめっちゃ刺さるんですよね。

 

 

素直に、『タクラマカン交点』であるノースポールから

ハムが『ホーム』へと向けた救難信号かもしれません。

 

というか極圏の入り口から長い長いパイプラインで

ノースポールへと燃料が送られているようですが、

そもそもここが何のための施設なのか分かりません。

 

標高が高いと月の声が聴こえやすいということなので、

月の声(食料プラントの電波)を受信するためなのかも?

 

うーん、謎は深まるばかりです。

 

 

極圏にいるチキュージン『ハム』

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パイプライン入口にて

・船大工のチキュージンとは別人

・パイプラインは『塔』へと繋がっている

・天然チーズをノースポールに届けてほしいと依頼

・依頼を受けると足跡もなく消え去る

 

天体望遠鏡付近にて

・ここは標高が高い。星の声が聴こえるか?

・ここ(天体望遠鏡)にあるのは星の声を聴く機械

・ブクブクと太ったあの星、この惑星の月の声が

・あいつには聴こえてる、だから月に向かって吠えてる

・昔から言うだろ?月はチーズで出来てるって

 

ノースポール付近にて

・におい(天然チーズ)につられてあいつが来る

・お前たちのグランドマザーだ

・ネズミ達にグランドマザーを倒せと指示

・ダメージを与えると地雷でマザーにトドメを刺す

・ネズミ達に生態系の頂点に立ってほしかった

・グランドマザーは複数いるが倒せた事実が大事

・きっといつか、ネズミ達の繁栄が始まる

・これが『人類』から託された俺の役目

・音もなく消え去る

 

ノースポールにて

ノールポールのキョテンに着くと、塔にもたれて

宇宙服を着たまま息絶えたサルがいました。

 

極圏にいたチキュージンの正体は、幽霊となっても

人類からの使命を全うしようとするサルでした。

 

この惑星のチキュージンとはサルだったんですね。

 

 

希望の種をくれるおじいさんもおそらくサルでしょう。

彼らもネズミの5倍程度の身長しかありませんからね。

 

この星のネズミがどれほどのサイズか分からないですが。

牛の骨のサイズを考えると普通のネズミよりは大きそう?

 

 

とはいえ、何故サルが人類並の知能を持っているのか?

人類はなぜサルに使命を与えたのか?

などという謎は残されたままになっています。

 

これは各地のキョテンを調べれば分かるかもしれないし、

ゲームの製作者も雰囲気で作っただけかもしれませんね。

 

スナクジラの歌もファンタジーな感じですし。

 

その他のウワサバナシ

・倉庫の空間圧縮テクノロジーは元々はロケットのワープ技術として使われたもの。

・サバクに落ちているスクラップは衛星から落ちてきたもの。

牛はチキュージンと共に大昔の移民時代にこの星に来た。

・この星の人工衛星はチキュージンが打ち上げたもの。

・どこかの星から来た人たちが様々な星を植民地にして、その人たちが使う言葉が銀河共通語になった。この星の生き物(ネズミ?)も銀河共通語を話せるらしい。

・サバクに生えているサボテンは地球産のもの。火山活動が活発で温暖化が酷い星だったから、サバクでも生きられるサボテンを植えてテラフォーミングした。

・墓場だ。死人だらけだ。この惑星が賑わってた頃は貿易会社の社員が大勢ロケットで来ていたが、大恐慌が起きてから皆その場でクビになって、帰れなくなったチキュージンが大勢いて、ほとんどが死んでしまった。

・東のビル群は大恐慌が起きるまではちょっとした都会だった。ネズミorチキュージンもそこに暮らしていた。

・宇宙の衛星軌道上に大量に交易基地があったが、今は経営母体が軒並み倒産してしまい、維持できなくなった施設が爆発し、そのデブリがぶつかり合っている。

・サバクフネは宇宙船に乗せるには大きすぎて、チキュージンがこの惑星の上で組み立てた。そのせいで船大工の中にもこの惑星に取り残される者もいた。

・大昔にはチキュージンがサバクフネを乗り回していた。フネの中では宇宙服のヘルメットが脱げる。=チキュージンはこの星の空気に適合できていない。

・ネズミがオシッコをかけたところにたまたま希望の種があったようで、そこから生えた木の実の中から自分のクローンが生まれた。希望の種はチキュージンのオーバーテクノロジーであり、超高度な文明を持っていたと考えられる。

 

考察まとめ

かつてこの星は火山活動が活発な惑星であり、温暖化でサバクが広がっていた。この星に移民しようと目を付けた”ヒト”*2が、テラフォーミングの為サバクにサボテンを植え、環境が整った後はサバクにビルがいくつも建つほど文明が栄えた。

惑星の成層圏には食料生成プラントがあって、大気圏外には複数の人工衛星や交易基地、おそらくコロニーなどもあり、長い年月繁栄を極めていたが、あるとき大恐慌が起き、それらの経営が難航し、チキュージンの殆どはまた宇宙へと去っていった。

(この星に暮らしていたのはチキュージンで、コロニーに住んでいたのは人類だったのかも。)

発展が途絶えてしまった理由はグランドマザーやその触手(サンドワーム)のせいかもしれない。

この星の地下深くには大量の水があり、それは駆動体(グランドマザー)であり、海そのものでもあり、また生命の循環システムでもあるという特殊な惑星だったのである。

放置された宇宙の人工衛星やコロニーは爆発しぶつかり合い、そこから発生したスクラップがサバクへと落ちてきている。唯一大気圏内にある食料生成プラントだけは今もなお稼働を続け、月と見間違うほどの食料(おそらくチーズ等)を生産し続けている。

ビル群に住んでいたネズミがまだ生きているので、多くのチキュージン達がこの星を去ってからさほど長い年月は経っていないようだが、東のビル郡が倒壊し、廃墟になるくらいの年月は経っていることから、30年~50年程は経過していると考えられる。

 

チキュージンが去った後、コロニーからサカナ(塩水の中の生き物)等が地上に落ちてきて、スナクジラやサンドジョーズへと進化し、ペチュニアや他の植物は黄金郷の一部となった。

(塩水の中の生き物たちは希望の種のようなオーバーテクノロジーのおかげで適合できたのかもしれない。)

ネズミ達はテラフォーミング後にこの星に根付いたと考えられるが、大昔は東のビル郡にも住んでいたとのことから、そもそも言葉を話せるある程度の知能はあったようで、チキュージンと違ってこの星の空気に適合することができた様子。

黄金郷にいた牛は地球から連れて来られたものかは不明。そもそも黄金郷がいつこの星にできたのかについて考察のヒントになるものは見つからなかった。

科学の水準から考えて黄金郷の場所をチキュージンは衛星で場所を確認できていたはずだが、ヒトが黄金郷の中で生活している様子が無いため、サバクのヌシ(この星の王)に阻まれて近づくことはできなかったと考えられる。

 

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人類がハムに与えていた使命

さて、ここで人類がハムに与えていた使命とは何でしょうか?

ハムはグランドマザーを倒せる生物を導き、いつかまたこの星の生き物が発展していくことを願っていました。

しかしこの星をゴミの衛星だらけにして捨てたのなら人類はもう戻ってこないでしょうし、若しくはこの星のテラフォーミングをしていたのがチキュージン(サル)だったのなら、人類はもう絶滅してしまっている気がします。

ならば、この星の生物が発展しようが人類に直接的なメリットはないハズです。

なのに何故人類はハムに使命を与えたのでしょう?

 

これは考察というより私の妄想ですが、人類の願いとは『生命を繋げること』だったのではないでしょうか。

すでに人類は絶滅してしまっていて、知能を備えた新たな種としてチキュージン(サル)やネズミ達に命を繋いでほしいというのが人類の願いだったのだと思います。

というか他にカッチリハマる答えが見つからないんですよね…

多分製作者も好きに解釈してよって感じだと思うので、私の答えはこれです。

 

唯一ノースポールの存在理由だけが不明なままです。

設置した理由も、施設の通信内容にも謎が残ったままですからね。

まさか続編への布石なんてことはないでしょうし。

 

 

とはいえ妄想の部分があったりもしましたが、

それなりに説得力のある考察ができたような気がします。

 

サバクのネズミ団はもう少し遊ぶつもりなので、

何か気づいたことがあれば追記していこうと思います。

 

 

 

*1:ドラえもんのひみつ道具

*2:チキュージン(サル)か人類なのかは不明

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